TOKYO REAL STREETのエッジの効いたデザインとリーズナブルなプライスレンジで、 全てのファッションを楽しみたい人に捧げるトーキョー発のバッグブランド「EDT(イーディティー)」。計算されつくした絶妙なバランスで、究極のミックススタイルを提案し続けるブランドディレクター兼デザイナーの諏訪朱音氏の素顔に迫った。
まずは、ファッションに触れた“きっかけ”を教えてください。
断片的にとても覚えている記憶があって、幼少期にパリコレのランウェイの映像が家で流れていました。元々祖母も母親もファッションが好きで、幼い頃から結構色々なものを着させてもらっていました。何か大きなきっかけがあったかと言われたら、なかったけれど、そういった環境に生まれ育ったことで、物心つく前から潜在的に自分の中に「ファッション=素敵」というイメージが刷り込まれていたように思います。
ということは、小さい頃から将来の夢はデザイナーだったんですか?
小学生の頃は、沢山を絵を描いて、周りにも「デザイナーになりたい」と言っていたそうです。でも成長していく過程で、英会話を習ったり、ダンスを始めたり、色々な新しいことに触れて、ファッションはずっと好きだったけれど、高校時代には将来の夢としてのデザイナーという意思は少し薄れてきていたので、色んな事を経験してそれでもファッションなのであれば、最終的にファッションに進もうと思い、専門に行ってデザインの勉強をするのではなく、4大の文学部に進学することを決めました。沢山の企業の説明会を受け、間口を広くして、総括的に色んな側面を見るようにしていました。学生時代はファッションの販売のアルバイトをしていたので、それもあって結果やっぱりファッションがいいなと思い、ファッションの仕事に進みました。
やっぱりファッションだったんですね。卒業後、今現在に至るまでを教えてください。
まずは販売職を経験しました。とはいえ、学生時代から販売を続けていたので、もう少しノウハウが欲しいと思い、企画・営業会社に転職しました。自分のスキルアップとしてもクリエイティブツールが使いこなせるようになりたかったので、働きながら実務でPhotoshop・Illustratorを覚えさせてもらえるという環境はありがたかったです。3年間勤務して、だいぶ自分のやりたいことが具現化できるスキルが身に付いたと思い、4年前に今の会社に転職しました。もちろんデザイナーの枠で。だから4年前には、デザイナーになりたいという明確な思いが自分の中にありました。
ブランド生誕4周年を迎える朱音さんのバッグブランド「EDT」について伺いました。
EDTはどういったコンセプトで、誰に向けたブランドですか?
EDTは、ファッションが好きで、自分の好きなモノを好きなように着ている、「ファッションを楽しみたい全ての人達に捧げるバッグブランド」です。
ブランドのテイストや演出したい部分はちょっとモードだけど、古着が好きな子・ナチュラルな子・どんな人が持ってもいいって思っています。ファッションも多様化しているので、それこそ色々なテイストの子に、ミックスして馴染む・生活にも落とし込める・楽しんでもらえる、そこを最終地点として考えています。
エッジの効いたカッコいいデザインとは裏腹に、価格はとてもリーズナブルですよね。
価格帯は、手に取りやすい3,000円~8,000円台が主流です。「こんな尖ったデザイン・・・カワイイけど、こんな高額なお金だして買えない。」っていうシチュエーションあると思うんですけど、EDTのバッグなら、そこを気兼ねなくトライできる。遊びで持てて、気軽に買うことができるんじゃないかって思いました。あと、洋服を買った後、+1個気兼ねなく買えるバッグブランドってなかなかないと思って。ファストファッションは別として、「服買ったけどバッグも買っちゃおうかな!」っていう勢いで買えてしかも心が満たされる、そういうカバンがあったらいいなと思ったので、リーズナブルなプライスレンジにしました。
デザインのインスピレーションはどこから受けていますか?
インスピレーションは、「自分がみたものの蓄積」だと思っています。以前映画が好きで沢山観ていた時期は、『主人公の服カッコいいな』『このスタイリングにこれを合わせたらかわいいだろうな』とそういう感じで、ヒントを得ていました。でも最近は、「観る・影響される・作る」ではなく、「今までの自分が見てきたものの集約で、結果自分が今一番何が気になっているのか」それが自然とアウトプットできるようになりました。なんとなく頭に浮かぶ気になっているものは、全部自分が見てきたものの蓄積で、無意識に追っているものなので。特に私は潜在意識の中でかわいいと思うものが偏っている方ですが、それはある意味今自分が一番打ち出したいものっていうのが明確に出てきているのかなと思います。
デザインをする上で心がけていることは何ですか?
バランスですね。プライスレンジが安価なものは、一点豪華・パッと見て派手なものが多いけど、そういうものははやく飽きられます。衝動的にはかわいいけど、永続的には続かない。そうならない、長く愛してもらえるほど良いバランスの商品をつくりたいと意識しながら作っています。「キャッチーだけど、どの服にもあうよね。」みたいな絶妙な“バランス”を模索しながら日々デザインしています。
デザインしている中で、楽しいと思う瞬間は?
まず企画する前に、この雰囲気のスタイリングに持つバッグがあったらいいなと、企画資料を集めてから、色・素材・差し色など大枠の全体像を決めてから、ディティールに落とし込んでいく作業が多いんですが、自分がばっくり創造していたイメージと、あがってきたサンプルのギャップの少なさ、ギャップが埋められてて自分がつくりたいと思っていたものになっていたときの達成感です。「あ、これ売れるな!」って自分の直観で思えたときが一番楽しいです。
今年4周年を迎えたEDTは今後どういったことにチャレンジしていきたいですか?
EDTのブランドの世界観をバッグに限らず、全身コーディネート出来たらいいなと思っていて、既にアパレルを一部展開しているのですが、実はこれから靴もローンチします。アイテム数はこれからも拡げていきたいです。あとSNSでは年々、中国・韓国・台湾からの問い合わせも増えてきているので、販路のアジア圏拡大、ブランドのアジア進出を目標にしています。
最後に、CHEESE MAGAZINEの定番クエスチョンを朱音さんに投げかけてみました。
朱音さんにとって、35歳とはズバリ?
35歳は5年後になるので、自分はある程度経験値を上げています。その時は、自分の成長もそうだけど、それよりも、育成する・継承するというフェーズに入っていくと思っています。自分がやってきたノウハウを下の子に受け継いでいく、経験をシェアしていく、そういった年齢になるのかなって。今だって別にやろうと思えば出来るんだけど、私はまだ模索している段階でもあるので。自分の中でもっとクリアに見えてきたら、きっとノウハウとかも、ちゃんと抜け目なく教えてあげられる。最短ルートを教えてあげられるのかなって思うんです。そのために今やっているのかなって思ったり、最短ルートをすぐ教えられる人間になるために、今骨を折ってやるべきことはやるっていうかんじですかね!(笑)
PROFILE
諏訪 朱音
EDT Director / Designer
Instagram : https://www.instagram.com/akane_suwa/
EDT
Official Site : https://edt-official.jp/
Instagram : https://instagram.com/_edt_official/
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