2006年からヘアサロンで美容師として活躍。美容師、ヘアメイクのアシスタントを経て、2016年にフリーランスヘアメイクアップアーティストとして活動を始める。現在では雑誌、TV、映像、タレントやアーティストのヘアメイクを手がけ、幅広く活動。 現在所属するBANGSでは、骨格やシチュエーション、お悩みなどバランスを考えたヘアスタイルを提案しながら、ヘアメイクアドバイスも行っている。
そんな忙しい日々を送るIKUYOさんの今に至るまでのお話を聞いてみました。
それでは、まず初めにIKUYOさんがメイク・ヘアメイクに触れたキッカケを教えて頂けますか?
思い返すと、子供のころからだと思うんですよね。私、4人姉妹の末っ子で、1番上の姉が9歳離れているので、物心ついた時にはもうお化粧する歳だったんですよ。
凄く覚えているのは、母親の化粧台からガチャガチャと口紅とかを出して自分に塗っていたくらいのおませさんだったので、もうその頃から興味はあったのかなと思いますね。
後は、小さい頃よくお人形遊びをしていて、母親に三つ編みとか編み込みのやり方を教えてもらってお人形さんの髪型を作ってずっと遊んでましたね。
なるほどー!
お人形でお飯事の様な遊び方ではなく、お人形単体で髪型遊びをしていたのですね!
確かに、もうそこから始まってますね!
そうなんです!姉がたくさんいたので、お人形もいっぱいあって、男の子役を作って、髪の毛を短く切ったりして遊んでました!
凄いですね!その頃にカットまでしていたとは!
では、そこから現職のヘアメイクアップアーティストになろうと思ったキッカケはあったのでしょうか?
このキッカケ!という事があった訳ではないんですけど、漠然と中学から高校生くらいの時に音楽をやりたくて、ボイストレーニングに通ったりバンドを組んだりしていた頃もあったんですけど、将来の夢を固める時に、音楽の専門学校に通おうかなと思って体験入学に行ったんです。その時はボーカル志望だったので、体験入学の時にその場で歌わせてもらって、テープに録ってくれて、その歌を聴いたときに歌では食べていけないかもしれないと思ったんですよね。じゃあ何がやりたいんだろうって思った時に、メイク好きだし、バンドの女の子たちのヘアメイクもやってあげてたから、メイクさんになったら、音楽にも携われるし、舞台裏の仕事も楽しいだろうなと思って。
でも、その頃はまだ携帯もガラケーで、ネットはパソコンで軽く調べられるくらいだったので、情報がなさ過ぎて…
どうやってなるんだろうって思ってた時に、ちょうど通っていた高校に専門学校の先生たちが話に来てくれた日があって、美容の先生を捕まえてどうすればいいですか?って聞いた時に言われたのが、「メイクだけじゃ食べていけないから、髪の毛も出来るようになりなさい。そうすると、美容師免許持ってないとできないから、美容の専門学校に通いなさい」って言われて、その時は純粋なので、「そうか!」と思って美容の専門学校に入ったんですよね。
そこから美容師免許取って美容師初めて、でも結局はヘアメイクになりたいって夢をずっと追い続けてて、最初の美容室を辞めた後、合格をいただいた美容室のオーナーが元々ヘアメイクだったんです。私のリサーチが甘すぎるんですけど、知らずに面接受けてました。笑
オーナーはその時には、依頼があったらたまに現場に行く大御所ヘアメイク兼美容師で働かれていました。入ったばかりの新人な私が、オーナーをシャンプーさせてもらう機会があって"ここしかない!"と思って、「私、ヘアメイクになりたいんです。なので、社長のヘアメイク現場連れて行ってください」って直談判したんですよ。そしたら「やる気があるなら連れて行ってやるよ」って言ってくれて。そこからたまに現場に連れて行ってもらって、徐々にその環境に触れていった感じかな。
今思えば、そんな事喋ってないでシャンプーに集中しろ!って感じですけど…
必死だったんですよね、きっと。笑
そこから10年ほど美容師を続けました。
ヘアメイクさんになりたいお気持ちを持ちながら、そこから10年も美容師を続けられたのですね。大変な世界ですね。ではヘアメイクアップアーティストとして独立されたキッカケをお伺いできますか?
そうですねぇ。それだけ働いてるとお店に愛着も沸くし、スタッフに恩も義理もできるんですよね。先輩たちは自分の時間を削って親身に教えてくれるので、「美容師にならなければいけない」って思うし、美容師になったとして、売り上げを立てて恩返しをしなければいけないって思って自分で決めた売り上げをクリアしてから、独立しようって決めて働いてましたね!
20代後半で独立して、フリーランスが多く集まる美容室で働き始めた時に、同じく美容師兼ヘアメイクの方がいて、現役のヘアメイクさんを紹介して頂いたので、現場に行くようになりました。
ヘアメイクになる道って、いくつかあって、メイクの学校に入って、卒業する時に先輩に就職先を紹介してもらうとか、ヘアメイク事務所に入るのか、個人でやっている人のアシスタントに入らせてもらうのか。
今はすぐに調べられるけど、昔は調べる手段が少なかったので、雑誌でヘアメイクさんのクレジットを見て、雑誌に電話して連絡先を教えてもらって、門を叩くっていう事をやってたみたいなんですけど。
私は運がいいのだと思います。運が良く、紹介してくださる方々に恵まれていたので、人で繋がって今がある、という感じですね。本当に有難いことですよね。
いやー大変な世界ですね。
リサーチ能力も必要ですけど、運も実力のうちと言いますので!コミュニケーション能力も必要ですし。そうやって夢を叶えられていったのですね。
ちなみに、師匠の弟子になる事も簡単ではないと思います。
試験?の様なモノがあるのでしょうか?
それも運良く、弟子募集をしているヘアメイクさんを紹介して頂いて。
その時は「何日の何時にここに来て」って言われて、合流して到着した場所は撮影現場でした。何も聞かされてなかったので緊張しまくりでしたよー!笑
そこで働き方とか相性とかを見てたんだと思うんですけど、終わって少しお話して「じゃあ明日からお願いします」って感じで、そこから2年間アシスタントとしてつかせて頂きました。美容師10年やってたから、通常よりスタートは遅いんですけどね…
いきなり現場なんですね!すごい…でもその美容師時代の10年間があるからこそ、コミュニケーションやヘアの技術が生かされていると思いますよ!
それはね、すごい言って頂けます。
最初はみんな人の頭触るのとか怖がるんですけど、美容師だったから慣れていたのと、一般の方でも芸能人の方でも頭は頭として見ているのでわりと緊張せずできたりとか。
ヘアに関しては即戦力になれていたので、「メイクさえ覚えれば独立できるね」って言われていましたね。
やはり!経験は大切ですね!
では、独立されてからのお話をお伺いしたいのですが、今のお仕事を続けていて良かった事や辛かった事、大変だった事など、あれば教えて頂けますか?
続けていて良かった事は、美容師を続けていた事ですね。
独立して大変だった事は、今も大変なんですけど。笑
エピソード話になるかもしれないんですけど、いつだか小学校の卒業アルバムを見る機会があって眺めてたんですよ。そしたら将来の自分へのメッセージのページがあって、全く覚えてなかったんですけど「10年後の私へ、ヘアメイクアップアーティストになってますか?」って書いてあって、それ見つけてはっとして、小さい頃からなりたかったんだと思いましたね。偶然とかではなく、潜在的に頭にあったんだなと。
やっぱり、小さい頃の気持ちって大切なんだなって思いましたね。
話脱線しちゃいましたけど、
大変だとは思わないけど、現実的に言うとメイクアップはお金がかかりますね。
道具もそうだし、お化粧品もそうだし。
自分だったら気に入ったお化粧品1つで良いけど、いろんな人の肌色だったり、肌質に合うように、バリエーションも揃えなきゃいけないし、毎回大量に買うんですよね。
それをシーズンごとに毎回買うので本当にお金がかかりますね。
そこは分かってたことだけど、現実的に…ね。笑
でも「自分で選んだ道でしょ」って思うから、何も辛くはないですね。
なるほど。小さい頃の夢だったんですね!忘れていたのにその通りになってるってすごいですね。なるべくしてなったんだと思います。
メイク道具って、ブランド数もそうですけど、カラーも、質感も、キリがないですよね。それを自分の知識と経験で選んで購入するって、凄い大変だと思います…
ちなみに、今のお仕事で、印象に残っているお仕事はありますか?
1番印象的だったのは、オーナーに連れて行ってもらった舞台挨拶のお仕事でした。クエンティン・タランティーノ監督のブラッド・ピット主演の映画だったんですけど、そういった方々に舞台裏で会えるって、なんてスゴいんだと。語彙力弱いですが。笑
ブラッド・ピットさん!一生に一度会えるか…いや。会えないです。そんな方々とお会いできるなんて、本当に素晴らしいです!羨ましい…
そうですね!その時に、そういう方々と近しいお仕事なんだなと、教えられた感じですね。
確かに。大変な事が多い仕事ですが、そういった事があると頑張ろうと思える気がします!
では、IKUYOさんご自身の話をお伺いしたいのですが、日頃心がけている事はありますか?
ご自身のメンテナンスだったり、美容についてお伺いしたいです!
そうですね…
結構みなさん日焼けとかを気にされるんですけど、私別に気にしてなくて、焼けやすいし。
顔に日焼け止めくらいはぬってますけど…
ただ、「保湿」はすごく大切にしていて、顔はもちろんなんですけど、お風呂上りには、全身にボディクリームを塗りたくります。
なるほど!塗りたくるんですね!
お顔もベチャベチャにする感じですか?
そうです!もうベチャベチャに。全然違います。本当にこれでもかってくらいやった方がいいです。
かしこまりました!
今日からベチャベチャ頑張ります!笑
続きまして、お休みの日の過ごし方を教えて頂けますか?
今はコロナ禍なのでそんなに出かけられないんですけど、前まではライブに行ったり、フェスに行ったりして「わー!」って叫んでストレス発散したり、キャンプ、川、海に行ったりしますね!今度ダイビングに行きます!
ダイビングいいですね!イメージにピッタリです!笑
出身が伊豆なので、海大好きで毎年海まで行きますね。自然に触れるのもストレス発散!
でも、インドアな事も好きなので、ゲームもします。笑
最近はSWITCHをやってますね!
ゲーム!想像できない!笑
ヘルシー女子イメージですが、ゲームもするんですね!親近感!笑
では、CHEESE読者へ向けて、今日からできるメイク術を教えて頂けますか?
そうですねぇ!マスクメイクを1つお伝えしようかな!
最近は、マスクをするので、みんなチークをしなかったりチークをしてもマスクに全部ついちゃったりするんですけど、頬の1番高い部分の、マスクから出る頬骨の部分、本当だったらハイライト入れる部分にちょこっとチークをのせてあげると全然変わります!
本来だったら入れない場所だけど、血色を見せるのってチークとリップなので、顔色をパッと明るく見せるメイク術です。
ありがとうございます!早速明日から実践します!
では、IKUYOさんの今後の展望をお伺いできますか?
師匠がオールマイティなかただったので、いろんな現場を経験させて頂いて、何をやってもすごく楽しいんですけど、1番はアーティストにつきたいですね。
アーティストについて世界中を回りたいです。
ミュージックビデオとか、ライブの裏にも入る事もあって、凄い楽しいんですよね。
ライブなんかは裏に入ってきて、本人が着替えてる間にヘア直して、1分でステージに戻すみたいな。そういった事も全てが楽しいですね。
なるほど、その切羽詰まった状況の緊迫感も楽しいのですね。凄い!
ライブだと同じ曲リストで同じ立ち振る舞いだろうけど、現場が変わるとまた違ってきますもんね!
IKUYOさんの好きなアーティストさんについて世界を回れるように、祈っております!
では、最後にIKUYOさんにとって35歳とは、お伺いできますか?
まだまだこれから。
人生100歳時代で、いっぱい生きれるし。
一般的な35歳って、中堅でそろそろお給料的にも時間的にも余裕ができて、20代とは違う楽しみ方が出来る歳だと思うんですけど、一生勉強なので、知識つけて、技術つけていかなきゃいけないと思うので、まだまだ勉強していく歳だと思います!
ありがとうございました!
PROFILE
IKUYO
Hair & Makeup Artist
Instagram:https://www.instagram.com/ikuyogram/
BANGS
Official Site:https://www.yes-bangs.com/
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