2005年、ウィメンズアパレルブランド「Rise b」にて、5年間ファッションデザイナーとして活動し、2012年AWより、自身のブランド「BRISEMY(ブライズミー)」を立ち上げ、ファッションデザイナーとして忙しい日々を送る中、AFEという東京ベースのランニングクルーの一員でもあり、また自身で立ち上げた女性の為のランニングコミュニティ「ACT WOMEN’S RUNning」にて、ラン会を月に2回開催するなど、ランナーとしての顔も持つ篠原氏。
そんな、篠原氏が創り出すファッションの真相を探ります。
まずは、ファッションに触れたキッカケを教えて頂けますか?
母がよく縫製をしていて、小学校低学年の頃から縫物を教えてもらっていた事がキッカケです。洋服も、幼いころから好きで、自分で選んで着ていましたね。
なるほど!その頃からいろんなデザインを自分で選んでいたのですね。すごい。では、デザイナーになったきっかけも、幼少期にあるのでしょうか?
そうですねー。特に色彩が好きで、カラーコーディネート検定や色彩検定を自ら受けて取得したり...どんどん洋服の世界に染まっていった感じです。きっかけは分からないけど、気がついたらデザイナーをしていました。(笑)
デザイナー街道一直線なイメージが伝わってきます!では、ご自身で立ち上げて、現在もデザインをしている「BRISEMY」には、どのような思いが込められているのでしょうか?ブランドコンセプトや、どのような人に着てほしいか、詳しくお伺いできますか?
「BRISEMY」は、“貴方のクローゼットに無二の一枚を...”というブランドコンセプトを掲げていますが、“無二の”というのがキーで、素材もシルエットも、デザインも全て含めて“他にない”ものを提供したいというのが根本にあります。身に纏った時、より女性らしくなって背筋が伸びるような気持ちになったり、意識を高く持てるようになったりしてほしい。だから、上昇思考な想いを内に秘めた女性に着て頂きたいと思っています。
ファッションは、その日1日の気分を上げてくれたり、少し変えるだけでその人の印象も変わりますよね。可愛く決まると、出かけたくなったり。そんな女性の背中を押してくれるのも、ファッションの素敵なところだと思います。いつも工夫されたデザインが魅力的な「BRISEMY」ですが、そんなデザインの、インスピレーションは一体どこから得られているのでしょうか?
インスピレーションは、普段の生活に転がっていることもありますが、旅行に出かけたり、人と触れ合う事で頭の中に浮かんできます。昨今は、情報過多でSNSやネット情報による邪念がありますが、もちろんマーケット(市場)を無視できない時もあるので、情報も大事だなとは思ってます。
なるほど。旅行は、海外へ行かれる事が多いのでしょうか?それとも、日本各地からインスピレーションが沸く事の方が多いのでしょうか?
旅行先は海外が多いですかね。それぞれの国の街並みとか、それぞれの国の色や空気を感じに行ってます。よく他の国の方に日本って青いよね。と言われたりするんですけど、それぞれの国に行って感じる色や雰囲気が異なるんですよね。例えば、ニューヨークはエネルギッシュでアクティブな空気感を吸収できて、元気なカラーがありますし、この前はロンドンに行きました。イギリスのトラディショナルな雰囲気を感じて、表現する事もあります。デザインをする事、商品を創り出す事は、アウトプットする事、そのためにはたくさんのインプットが必要なんですよね。
アウトプットするためのインプット、1つの物を仕上げるためにどれだけの情報が必要か、考えるだけでも大変さが伝わります。次は、デザイナーというお仕事について、お伺いします。デザイナーをしていて、楽しい事や、大変な事はありますか?
そうですね。0が10になるような、無かったものを世に生み出せるのが楽しい事で、「BRISEMY」を着ていて、好きな人や友達に褒められたりして、その方が喜んでいるところを垣間見れたときが最高に嬉しいです。大変な事は、華やかな舞台にいるように思われるけど、生み出すまでの道のりが意外と地味で漫画家のように頭を抱えて何度も、何度も描いたものを描き消して、生み出す事ですかね。
我々は、仕上がった洋服を見ているだけですが、生み出されるまでにたくさんの時間と思いが詰まっているのですね。より一層、洋服の奥深さを感じます。では、生み出す中でのスランプはありましたか?
常にありますよ。デザインのインスピレーションの時にもお話しましたが、情報過多になっている事で、“作りたい服”と“作るべき服”にギャップがある事もよくあるので、頭の中の整理がついていないと、何も浮かばなくなります。
時代の流れと、流行りと、本来ブランドが持つコンセプトと、葛藤するのですね。我々も、ファッションの流行を調べてしまう癖があり...「良いもの」と「流行り」のバランスを取る事が難しい時代だと、思う事があります。篠原さんは、スランプになった時の解決方法や、発散方法はありますか?
ありますよ!まずは、思いっきり走りに行ったりします。
敢えて追い込む事で、心拍数を上げて、自分の体と向き合うんです。もうだめだー!って限界になるまで。そうすると、頭の中も真っ白になってリセットするんです。あとは、街の中を見に行ったり。仕事から離れて、全然違う事をする時間を持つことで、また新しい考えが浮かぶこともありますね。
今までお話をお伺いしたうえで、いろいろな葛藤があるかと思いますが、デザインする上で、1番大切にしている事はありますか?
人が人を気遣うように、ディテールやデザインへの気遣いは、人が着用している時にテンションが上がることだと思うので、妥協せず、素材もデザインもディテールも拘り抜く事ですね。
我々消費者の立場からすると、とても嬉しいです。やはり、最近は“コスパ”という言葉が出回っていて、ファストファッションが増えましたが、数回着ると、ダメになってしまう事が多くて...それに比べて、私が愛用している「BRISEMY」は3年前に購入したアイテムが、今でもしっかりしていて、お気に入りのデザインを長く着れる事が、とても嬉しいです。着用者の事を考えて作っている事が、とても伝わってきます。そんな篠原さんの、今後の展望をお伺いできますか?
スランプに挫けず続けてきたことを信じて、可能な限りこのファッション界でやり続ける事。そして、何かしらの形で、技と術を次世代へ継ぐことができたなら、この上なく嬉しいことだと思います。その為にはもっと磨かないといけない部分がたくさんあるから、違う形であったとしても、まだまだ貪欲に続けていきたいかな。そして、次世代へファッションの本質を考えてもらえるきっかけを作りたいと思っています。
これからの若者は、私たちの子供たちでもあるので、これからの若い世代に、篠原さんのような強い意志を持って、モノづくりをする思いを、受け継いで頂けると思うと、とても嬉しいです。最後に、「CHEESE MAGAZINE」は、“35歳の気になるニュース”をコンセプトに掲げております。
篠原さんにとって、35歳とは?
教えて頂けますか?
次の段階。第二次青春ですかね。35歳からは、やれる事の幅や見える世界が格段に変わるような気がします。少し俯瞰して見渡せるようにもなるし、技術もついてきて、やりたい事の幅も拡がるので。
この度は、ありがとうございました!
BRISEMY 20SS LOOK BOOK View More
http://brisemy.com/gallery_archives/20ss
PROFILE
株式会社BESPRE 代表
ブランド : BRISEMY(ブライズミー)
Official Site : http://brisemy.com/
Instagram : https://www.instagram.com/brisemy/
デザイナー : 篠原 絵美
Instagram : https://www.instagram.com/emishino/
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